SVHCは Substances of Very High Concern の略で、日本語では高懸念物質と呼びます。EUの化学物質規則であるREACHの枠組みで、人の健康や環境に重大な影響を及ぼすおそれがあるとして特定された物質です。特定された物質は「候補リスト」(Candidate List)に載ります。
候補リストは2026年2月4日の第35次追加で253エントリーになりました。第35次で加わったのはビスフェノールAF及びその塩の2物質群です。その前の第34次は2025年11月5日で、DBDPEとn-ヘキサンが追加されました。従来は6月と12月から1月にかけての定期更新でしたが、この2回は例外的な時期でした。2026年9月時点で第36次は未公表です。
載るとどうなるか
候補リストへの収載は、使用禁止ではありません。発生するのは情報伝達の義務です。REACH第33条により、候補リスト収載物質を0.1重量%を超えて含む成形品をEU市場に供給する事業者は、受け取り手に情報を伝えなければなりません。ECHAの表現は "in a concentration above 0.1% weight by weight (w/w)" です。
| 事項 | 内容 |
|---|---|
| 閾値 | 0.1重量%超 |
| 対象 | EU市場に供給される成形品 |
| 義務 | 供給先への情報伝達(第33条) |
| 禁止か | 収載だけでは禁止ではない |
実務上の注意
一つ目は、0.1%の分母を製品全体だと思い込むことです。REACH第33条の判断単位はRoHSとは異なります。この違いは0.1%の分母は何かで扱っています。
二つ目は、追加のたびに全品目を調べ直そうとして手が止まることです。追加されるのは年に数物質です。自社品目のうち該当しうる材料から絞り込むほうが早く終わります。手順はSVHCが追加された時の影響調査を1日で終える手順にあります。
関連する語はREACH規則、成形品、SCIP届出です。最新状況はSVHC候補リストの最新状況で追っています。
候補リストに載った物質が入っていたら、売れなくなりますか
候補リストへの収載だけでは販売禁止になりません。0.1重量%を超える場合に情報伝達の義務が生じます。禁止に進むのは、その後に認可対象(附属書XIV)や制限(附属書XVII)へ移った場合です。
253という数字は物質の数ですか
エントリー数です。1エントリーが「その塩」を含む物質群を指すことがあるため、個別の物質数はこれより多くなります。